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1)防湿層+通気層は断熱の寒冷地仕様です。 2)茅葺屋根の断熱。 3)外気が通れば必ず乾燥すると思うのは誤りで通気層は要りません。 4)通気層内の黒かび |
2)【東京とストックフォルムの気候】 | |
2012年の東京の平均気温と平均湿度![]() |
左の二つのグラフは、東京とストックフォルムの気候を比較したものです。 ストックフォルムでは気温の高いときは湿度は下がり、湿度の高い時期は気温が下がっています、しかも気温が20℃を超えることもありません。ストックフォルムの気候は、カビの発生しにくい気候です。そのため通気層工法が正しい工法なのです。 東京では気温の高い時期に湿度が上がっています。その上、カビの生育に必要な湿度が70%を超え、気温が25℃を超えることがあり、カビが生えやすい気候です。 東京とストックフォルムの気候を較べてみれば、東京の大気は壁内に通すには不向きであることが判ります。 このグラフは月別の平均値であり、日別に見れば東京でも気温の高い日は湿度が低く、湿度の高い日は気温が低いため、通気層内にカビが生えることはありません。 しかしながら、建物内や通気層内に温度差や澱み空気があったり、毛管現象の起きるところがあれば、長期的にはカビは生えやすくなります。 |
1970年代のストックフォルムの平均気温と平均湿度![]() |
3)【壁内通気について】 地下ピット内の工事をする時、酸欠対策のために外気をピット内に送るのですが、夏の一時期、外気を送るとピット内に結露が発生することがあります。空気が通れば必ず乾燥するという考えは誤りです、温度差によっては空気が通れば逆に濡れてしまう時期もあるのです。 夏の高温多湿の空気や朝霧や朝露(自然界の結露現象)を発生するような多湿の空気を壁内に通せば壁の中は多湿になり腐巧菌が発生しやすくなります、確かに時間がたったりシーズンが変われば乾燥しますが、乾湿を繰り返せば釘は錆びやすくなり材木は腐りやすくなり、また紫外線も多少は入り込み経年劣化(風化)は進みやすくなります。 数百年の耐用年数が証明されている城郭の壁、社寺建築の壁、蔵造りの壁で壁の中に外気を通しているものはありません,そして左官材に塗り込められた(空気に触れていない)木材が腐りにくいことは古家を解体した時、貫や木舞だけでなく木舞縄すら腐っていないことからも明らかです。 通気層の目的は (1)冬に高温多湿になった室内の湿気を外気に逃がす (2)手抜き工事やシール等外壁材料の経年劣化で、雨水が壁の中に入った時に通気層に流し、部屋の中に滲みこまないようにする の二つです、断熱材に入り込んだ湿気を断熱材の中に留めることなく直接外気に排出し、雨水が壁の中に沁みこまなければ通気層は要りません。 木造住宅の壁内で水を流して良いのは《給・排水管》だけです,それ以外の所に水が流れれば住宅が腐るだけです。 壁の中に通気層のような密閉されていない空気層があれば、そこに小昆虫がはいりやすくなり、小昆虫が入り込めば通気層は小昆虫の営巣地になるおそれもあります。 営巣地が出来ればその周りに死骸などが発生し、それにカビが生えてアレルゲンのもとになります。 また高性能住宅であるにもかかわらず、小昆虫駆除をしたためにお施主さんが化学物質過敏症になるという、家が凶器になった事例も報告されています。
いずれの場合もお施主さんは、化学物質過敏症になり、取り返しのつかない事になっています。 |
4)【通気層内の黒かび】 近年、通気層の中の縦胴縁の周りの合板が2階までカビが生えるという劣化被害が散見されています、原因はサイディングの雨水処理に使用したシール材が耐用年数(15年〜20年)を過ぎたため、シールの部分から雨水が通気層内に滲入し縦胴縁とその周りを腐らせたとされ、又、シールの耐用年数が過ぎる前に瑕疵が明らかになった場合は縦胴縁の巾が足りずサイディングが動いてシールが切れたとされ、そのためシールを使用しない左官仕上げが見直され始めています。 しかしながら、シールの経年劣化で雨水が滲みこんだのが劣化の原因ならば、被害は1階の下部の壁に集中するはずです(水は下に流れる).。またシールのない部分の胴縁の周りにも黒カビが生えていればシール以外の原因を考えなければなりません。 2階の壁の胴縁回りにも平均的にカビが生えていれば、湿気の動きが原因である事が考えられます(瑕疵が明らかになった時期とシールの経年劣化の時期がたまたま一致しただけと言う可能性もあります)。 通気層が本来の機能を果たしていれば、湿気が原因でも、通気層内に雨水が滲みこんでも、雨がやめば通気層内を空気が流れて乾燥して黒かびは生えないはずです。
長期優良住宅の壁内には澱み空気を作ってはいけないのです。 |
5)【湿気の処理の仕方】 |
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写真は茅葺屋根です、茅葺屋根は理想的な断熱のシステムです。 降った雨は室内に入れない、夏の照りつける太陽の暑さも冬の寒さも防ぐ、そして室内で発生した湿気はすべて室外に排出する、しかも屋根全体からむらなく排出します、まさに理想的な湿気の処理の仕方です。 建物は高気密化すればするほど湿気は建物の中にこもります、充填断熱の時、室内側に施工する防湿シートはほとんど湿気を通しません、外張り断熱で家をすっぽり包む50oの発泡系断熱材も構造用合板の2倍から3倍位湿気をせき止める力があります。 「高気密・高断熱住宅」の湿気は閉じ込められて行き場がなくなっています。 湿気の大きさは10万分の4ミリと言われています、夏と冬に空調して室内外に温度差ができれば水蒸気圧に差が出来て湿気は水蒸気圧の低い方へ流れようとして壁の中に入り込みます。 湿気の処理の仕方を茅葺屋根から学ぶにしても、現実には防火性、構造的な強さ、耐久性、壁厚の制限、職人の数などの制約があり茅葺屋根を壁にすることは不可能です。 現在ある建材で都会地に対応させた湿気の処理をするには
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高気密・高断熱住宅で外気と遮断しなければならないのは温度だけです、その意味ではグラスウールは湿気と空気は通すが温度は通さないと言う理想的な性質を持っています、もちろん、風が強い日には空気と一緒に温度も逃げてしまう恐れはありますが、外壁の構造でそのような欠点を克服できれば、グラスウールは大きな可能性を持った断熱材と言えます。 |
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