資 料 集


 1)モルタルのクラック
 2)空気層について 
 3)発泡ウレタンについて


【湿気と結露について】

結露の種類

冬季結露
 表面結露…

湿り空気とそれに触れる壁、床、天井、等の表面温度との飽和関係で生ずる屋内表面の結露
対策…断熱材の利用、換気などによる湿度の低減 
 内部結露…

温度差のある室内外の湿流と低温側の堰き止め効果で生ずる壁内部の結露
対策…断熱材の利用、湿気容量の利用
夏季結露
 表面結露…

冷凍倉庫などの外壁に生ずる外壁表面の結露
対策…断熱材の利用
 内部結露…

原因は冬季結露と同じ、室内壁下地材の裏側に生ずる結露
対策…外気側防湿層


透湿抵抗値…

1時間に1uあたり1gの水分を通すために必要な水蒸気圧差(単位はuhoHg/g)
単位は他にJIS-A-1324法の(u・spa/ng)があります、数値が違うので注意

絶対湿度… 単位体積の中の水蒸気の占める割合
相対湿度… 飽和水蒸気量(温度により変化)に対する水蒸気の割合
 
 体感湿度は「相対湿度」で感じ、水蒸気の移動は「絶対湿度」で移動します。

 水蒸気は限られた空間の中では「絶対湿度で同じ」になろうとする性質があります。住宅の場合はドアを閉めても水蒸気は自由に移動するため建物の中全体が同じ絶対湿度のなろうとします、そのため暖房してある部屋は喉が痛くなるほど乾燥していても非暖房室では結露が進むということもあり得ます。


水蒸気(湿気)と飽和水蒸気についての概略



 結露のできるわけ
 空気は温度によって含むことのできる水蒸気の量が違ってきます、例えば20℃の空気のとき1?あたり約17gの水蒸気を含むことができます(これを20℃の時の飽和水蒸気量と呼びます)。

 しかし0℃空気は1?あたり約5gの水蒸気しか含むことはできません、室温が20℃の時15g/?の水蒸気を含んだ空気が、外気温が0℃の時の窓ガラス(約0℃)に触れれば窓ガラスの周りの空気は冷やされて0℃近くになっているため10g/?の水蒸気が空気中にいることができなくなり結露となって窓ガラスにつくのです。

 水蒸気は10万分の4ミリ位の大きさで圧力を持った気体でドアを閉めても自由に移動できます。
 湯気、雲、霧、もやなどは水滴で水蒸気ではありません。

 人が普通の生活をしていて発生する水蒸気の量は4人家族で水に換算して約12リットル位発生すると言われています。
 結露は結露を呼びどんどん広がる傾向があります。



 C値   
(隙間相当面積)

 家全体の隙間に相当する面積の合計(?)を家の延べ床面積(u)で割った数値。

 
 
Q値
(熱損失係数)

 
 家の内外の温度差が1℃の時に、1時間の間に家全体から逃げていく熱のすべてを合計したものを延べ床面積で割ったもの。  

 K値
(熱還流率)

 
 熱が材料を通して温度の高い空間から低い空間へ伝わる現象を熱還流といい、その時の「熱の伝わりやすさ」を表す数値を熱還流率と言う、この数値が小さいほど熱を伝えにくく断熱性能が高い。


次世代省エネ基準の地域割



【左官材について】


木造柔構造建築の3重の塔

外壁モルタルのクラックについて

 外壁モルタルのクラックの原因は主に4つあります。

  1)モルタルが建物の動きに追随できないため
  2)モルタルの乾燥収縮によるもの
  3)ラス網が錆びて膨張してモルタルを押し広げること
  4)平ラスの重ね代不足によるもの
 
 昭和30年代の住宅ブームの頃の大工さんは、木造建築の柔構造ともいえる貫工法で仕事を覚えた人が多く、建物の動きに無頓着だったため硬いモルタルが追随できなかったのですが、現在は下地に構造用合板を使用し、ビスピッチも50o位と構造的に丈夫になったので建物の動きによるクラックはありません。

 砂・セメントモルタルは乾燥すると0.1%〜0.2%位収縮すると言われてきましたが、現在はプレミックスモルタル(例えば竃L運のベースモルタル等)が主流となり、プレミックスモルタルは建材メーカーの努力で乾燥収縮によるクラックはできません。

 錆びてクラックの原因となったラスはワイヤーラスであり現在は波型平ラスになった事と一回塗り仕上げをしなくなったためにラス網に対して一定のかぶり厚を確保するようになったことと、仕上げの吹き付けが防水仕様になり雨水がモルタルの中に沁みこまなくなったためにラス網が錆びることが無くなりました。

 現在は外壁の施工面積は実測か設計図書から算出していますが、昔は網坪といってラス網を何枚貼ったかで施工面積を算出していた時がありました、工務店の社長でケチな人はラス網の重ね代を少なくしろと言う人もいて重ね代不足のクラックがあったこともありましたがさすがに今はそのようなことはなくなりました。


社寺建築の庇の出
外壁の仕上げ材について
 外壁の仕上げ材としては調湿機能があり数百年の耐用年が証明されている漆喰(例えば日本プラスター社のカルヌーヴォラフ等)がお勧めなのですが、最近の酸性雨のため写真の社寺建築のように庇がでていないと漆喰のアルカリが中和されてしまうためあまり勧められないそうです。
 住宅密集地ではラス網の錆びを防ぎ、風化を抑える意味でも防水性のある吹き付け材が良いと思います。(防水性が無くなってきた頃・数十年に一度吹き直すと風化は抑えられます)
 

【空気層について】

昭和30年代の住宅の壁構造
 阪神淡路大震災の時、倒壊した木造住宅に土台の腐食が多く見られました、その原因の一つにラス下木ズリ板とラスボード(又は土壁)の間の空気層にあったと思います。

 室内側の暖かい温度と外気側の冷温で壁の中の空気は対流を起こし、暖かい空気は上に集まり冷たい空気は下の方に集まります。

 その結果空気層の上部は高温低湿になり下部は低温高湿になります。

 腐巧菌の発生条件は温度5以上、湿度65%以上ですから、空気層の下の部分はこの条件に当てはまるようになって腐巧菌が発生し、数十年かけて土台を腐らせていったのではないでしょうか。


【発泡ウレタンについて】

発泡ウレタンはメーカーにより性能にばらつきがあります、目的に合ったものを選んでください。


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